診療科のご案内

治験実施診療科のご紹介

名古屋市立大学病院は、名古屋市の高次医療機関として、幅広い疾患に対して高度の医療を提供しています。

消化器内科領域

名古屋市立大学病院消化器内科では、9名の医師が胃癌、大腸癌をはじめとした消化管がん、クローン病や潰瘍性大腸炎といった特定疾患、胃食道逆流症,機能性消化障害など様々な消化器疾患の治療を積極的に行っています。

臨床研究では、JAPAN GAST Study Group(JGSG)の多施設共同臨床験に積極的に参加している実績があります。基礎研究としては,消化管癌の遺伝子解析を積極的に行い,消化管がんの病因となる新規遺伝子の解明・病態解析を行い、抗がん剤に対する薬剤耐性や治療標的分子の導入を主なテーマとして研究活動を行っています。クローン病や潰瘍性大腸炎といった特定疾患においても、新規標的遺伝子を発見し、新規治療薬のターゲットとなる分子を解明するべく研究を行っています。

さらには近年増加傾向にあるものの決定的な治療が確立されていない胃食道逆流症、機能性消化障害において、臨床的解析のみでなく、細胞レベルでの基礎研究に取り組んでおり,様々な学会や研究会での報告,論文発表を行っております。  これまでに、胃がん、潰瘍性大腸炎、胃食道逆流症を対象とする治験等に参加した実績を生かして、今後も継続して消化器がん、炎症、機能など、あらゆる消化器疾患の様々な領域における治験等にも参加し、患者さんに高度の医療を提供し続けることでもお役に立ちたいと考えています。

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肝・膵臓内科領域

名古屋市立大学病院の肝・膵臓内科では、肝臓および膵胆道領域についてそれぞれの専門医グループが診療を行っています。

肝疾患領域では肝癌に対する経皮的ラジオ波治療や抗がん剤動注・血管塞栓療法の豊富な実績により多くの治験および臨床研究を実施しております。またB型やC型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス療法についても多くの治験受託実績があり、多施設共同による臨床研究への積極的な取り組みを行っています。これらの成果は欧文医学誌に多く掲載され世界的にも高い評価を受けています。

膵胆道領域では、厚生労働省の難治性膵疾患に関する調査研究班の一員として、急性・慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵石症、膵仮性嚢胞などの治療に関する臨床試験や種々のプロジェクトに取り組んでいます。胆道炎では、他の5大学と共同で臨床試験を立ち上げ、抗菌剤治療の新たなエビデンスを発信しています。また、膵・胆道がんに対する化学療法も積極的に行っており、膵癌では現在注目されている全国規模での大規模試験(GEST study)にも参加しています

当院肝・膵内科では治験参加や臨床研究を通じて新薬や新たな治療法の開発に役立ちたいと考えております。

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呼吸器内科領域

名古屋市立大学病院呼吸器内科では、12名の医師が肺癌、呼吸器感染症、COPD、種々の間質性肺炎、気管支喘息など様々な呼吸器疾患の日々の治療を行なっています。

また、臨床研究への取り組みとして、西日本がん研究機構(WJOG)の多施設共同臨床試験に積極的に参加している実績があります。基礎研究としては、肺癌の薬剤耐性や治療標的分子の解析、サルコイドーシスの病因・病態解析、抗酸菌感染症の病態解明・早期診断技術開発、百日咳菌と慢性咳の関連などを主なテーマとして研究活動を行っています。

これまでに、肺癌、COPD、特発性間質性肺炎、呼吸器感染症を対象とする治験等に参加した実績を生かして、今後も継続して感染症(ウィルス性、細菌性)、肺癌(支持療法や緩和医療に関するものも含む)、COPD、間質性肺炎などの領域における治験等に参加し、患者さんに高度の医療を提供し続けることでもお役に立ちたいと考えています。

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循環器内科領域

名古屋市立大学病院循環器内科のCCU部門との連携はもとより、名古屋市立大学大学院と連携して行なう高血圧と心不全・心機能に対する臨床研究は、医学誌(J Am Coll Cardiol, Am J Cardiol, Int J Cardiol, Am J Phys.など)に掲載されることも多く、高い評価をいただいています。

特に、当循環器内科は腎臓内科との連携がことのほか深く、心腎連関や腎血圧連関について、高い専門性を誇っています。これらの臨床研究における取り組み・成果は、治験の確実な実施にも生かされるものと自負しております。

最近では肺動脈性肺高血圧症治療薬の国際共同治験に参加し、実施計画からの逸脱もなく良質なデータを得ることができました。さらに、小児科領域・心臓血管外科領域とも連携して成人先天性心疾患の専門診療を充実しつつあります。この患者数が非常に多い一方で、治療薬の乏しい領域の治療法の開発にお役にたつことができれば、と願っています。

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内分泌・糖尿病内科領域

名古屋市立大学病内分泌糖尿病内科では、糖尿病、甲状腺疾患を中心に肥満、高脂血症、尿酸代謝異常、間脳下垂体疾患、副甲状腺疾患、副腎疾患を対象に高い専門性を持って診療を行っています。それぞれの疾患において最新の診療ガイドラインに基づき、疾患の段階に応じた最適の治療を提供することを基本方針としています。

治療における最近のトピックとしては2006年4月より承認された成人に対する成長ホルモン補充療法を積極的に取り組んでいることや、2007年後半から新たに登場した2種類の持効型(長時間作用型)インスリンを用いた新たな糖尿病治療を手がけていることです。

治験など臨床試験に関しては、糖尿病性腎症(第Ⅲ相試験)、2型糖尿病における高血圧症を対象とした臨床試験、眼科・腎臓内科・口腔外科と共同での糖尿病合併症に関する長期観察試験、消化器内科と共同での腸管における糖吸収抑制剤の新規開発などに携わってきました。 近年、特に糖尿病領域において新しい概念の治療薬の開発が進んでおり、当科でも治験に関しては積極的に参加していく予定です。患者さんの協力を得ながら治験をすすめていくことにより、内分泌糖尿病領域の新たな治療法の確立に貢献していきたいと考えています。

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血液内科領域

名古屋市立大学病院血液内科では、3名の日本血液学会指導医と6名の同学会専門医を含む計8名の臨床スタッフが造血器腫瘍を中心とした診療に携わっています。年間の新規入院患者数は悪性リンパ腫70~80名、多発性骨髄腫20~30名、急性白血病15~20名、成人T細胞性白血病/リンパ腫5~6名、慢性骨髄性白血病4~6名、骨髄異形成症候群5~6名です。またリンパ腫・骨髄腫は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)、白血病については日本成人白血病研究グループ(JALSG)といった大規模臨床研究グループに参加し積極的に患者登録を行っています。また自家造血幹細胞移植や同種造血幹細胞移植については3年間の実績総数が41例です。診療科としてTranslational Research(TR)や臨床試験に力を注いでいるために、医師主導臨床試験においてプロトコール作成に積極的に携わっているスタッフが多いことが特徴です。

 臨床開発で特に力を入れている分野はリンパ腫や骨髄腫などの成熟リンパ系腫瘍に対する新規抗腫瘍剤(特に分子標的薬)や支持療法の開発治験であり、第I相、第II相治験を含めた薬剤開発を積極的に行っています。臨床治験に際しては関連施設との協力体制による患者紹介制度を整えており、第I相治験におけるPK・PD解析用検体採取についても治験経験の豊かな臨床研究コーデイネイター(CRC)と病棟看護師のサポートを得てスムーズに実施することが可能です。私どもは、新規薬剤開発を介して効果のある薬剤を少しでも早く患者さんの下に届けられるように頑張ってゆきます。

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膠原病内科領域

名古屋市立大学病院膠原病内科では、関節リウマチをはじめ、各種自己免疫疾患患者さんの診療にあたっています。年間のべ12,500人あまりの患者さんが受診されています。生物学的製剤の登場により、関節リウマチの治療が大きく変貌しつつあるなか、わたしたちも適応のある患者さんに対しては積極的に使用し、寛解を目指した治療を心がけています。今後も新たな分子をターゲットとした製剤が登場する予定ですが、新しい薬剤・治療法の開発にも貢献していきたいと考えています。

また、全身性エリテマトーデスや多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群、強皮症、シェーグレン症候群などの患者さんも数多く受診されています。難治性で、ステロイド治療だけでは十分な効果が得られない患者さんも多くおられ、新規薬剤の登場が切望されています。私たちはこのような疾患に対する新規薬剤の治験や臨床試験にも積極的に参加していきたいと考えています。

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神経内科領域

名古屋市立大学病院神経内科では、先進的医療の開発を目ざすと共に、最新の診療ガイドラインに基づいた専門性の高い医療を広く市民の皆様に提供できることを目標にしております。

地域に根ざした神経疾患専門診療科として近隣の医療機関からの紹介患者さんは、ますます増加傾向にあります。最近の紹介患者さんの内訳では、脳血管障害で受診される方の増加に加えて、2007年5月に開設された『認知症専門外来(物忘れ外来)』および『パーキンソン外来』への紹介が急激に増加してきています。

現在の臨床試験実績としては、アルツハイマー型認知症(第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験)、レビー小体型認知症(第Ⅱ相試験)、多発性硬化症(第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験)、パーキンソン病(第Ⅲ相試験)の他、脳梗塞および脳血栓症を対象とする製造販売後臨床試験などがあり、豊富な臨床試験実績を有しております。臨床研究開発支援センターの専任コーディネーター(CRC)との連携は言うまでも無く、作業療法士および臨床心理士とも緊密に連携して、精度の高い臨床開発試験を実施しています。

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腎臓内科領域

名古屋市立大学病院腎臓内科部門では、検尿異常から維持透析に至るまで慢性腎臓病(CKD)の経過全般に亘るいずれのステージにおいても高度の医療を展開しつつ、腎専門医を育成してきた歴史があります。全国規模では、必ずしも全ての腎専門医が実践しているとはいえない「理論的検討に基づいた水電解質・血圧をはじめ とする全身管理」「腎生検標本の組織診断」「シャント手術」をいずれも偏ることなく身につけたバランスのよい腎専門医を輩出しています。

また名古屋市の後援で”患者さんとご家族のための腎臓病セミナー”を開催し市民レベルでCKD対策に取り組み、名古屋市を最も腎不全の少ない都市とする気概をもっております。そこで私達腎臓内科では「腎」もしくは「高血圧」に関連するキーワード(例えば「蛋白尿」「腎炎」「ネフローゼ」「CKD」「慢性腎不全」「透析」「腎硬化症」「RA系抑制」「利尿薬」など)とするあらゆる高度な医療についても参加を考慮し、患者さんのより良い治療を担いたいと考えております。腎障害を主観点とするならばリウマチ・膠原病の治験にも貢献できると考えています。

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消化器外科・一般外科領域

消化器外科領域

名古屋市立大学病院肝胆膵外科グループでは、主に肝臓、胆道、膵臓の悪性腫瘍に関する外科治療および基礎・臨床研究を行っております。特に膵がん、胆管がん、および肝臓がんに対しては安全確実な手術を心がけ、患者さんのQuality of lifeを重視した術式を選択しています。また他院では手術困難と判断された症例に対しても、可能な限りの集学的治療を提供いたしております。内科的治療に抵抗性の慢性膵炎に対する手術療法でも高い評価を得ています。研究面では膵がんの転移・浸潤機構の解明をテーマとし、国際学会、雑誌などに多くの成果を発表しています。

消化管グループでは、胃がんは年間60例で、進行度に応じ早期粘膜癌にはQOLの向上を目指した腹腔鏡下手術を、進行がんには深達度に応じた重点徹底郭清と生理的再建法を取り入れています。胃がんの予後は、stageI 100%、II 80%、III 50%の5年生存率を達成しています。大腸がんは年間100例前後で、進行度に応じた郭清と機能温存術式を行っています。また腹腔鏡下手術は近年件数が増加しており、その適応を進行がんに広げつつあります。大腸がんの予後はstageI 99%、II 91%、III 75%の5年生存率が得られています。その他の良性疾患・特殊疾患に関しても広範に腹腔鏡下手術を行っており、より低侵襲な外科を目指しています。

当科では肝胆膵・消化器全般の領域における臨床・基礎の両面において、今後も積極的に学会活動・治験等に参加し、患者さんに適切で最新の医療を提供し続けることでお役に立ちたいと考えています。

一般外科(消化器がん領域)

名古屋市立大学病院一般外科では、5名の医師が主に食道がん、胃がん、大腸がんといった消化管がんを中心とした消化器疾患の日々の治療を行なっています。

 特に食道がん手術症例は年間約25例程度あり、年々増加傾向にあります。 また、進行食道がんおよび再発食道がんの治療にも積極的に取り組んでいます。他院では手術不能とされた症例に対しても、できうる限りの集学的治療の提供をしたいと考えています。

また臨床研究への取り組みとして、胃がんの化学療法などの多施設共同臨床試験に積極的に参加している実績があります。

基礎研究としては、食道がん・胃がんの薬剤感受性および放射線耐性や治療標的分子の解析、癌発生メカニズムの解明をテーマとした研究活動を行っています。  今後も継続して食道がん、胃がん、大腸がんなどの領域における治験等に参加し、患者さんに高度の医療を提供し続けることでも役立ちたいと考えています。

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呼吸器外科領域

名古屋市立大学病院呼吸器外科部門では、肺がんおよび縦隔腫瘍を中心に、治療および研究活動を行っています。肺がんに関しては、呼吸器内科、放射線科、病理部門との定期的な検討会を行い、治療方針の決定を行っています。肺がんの手術後の補助化学療法の有用性が徐々に認識されてきているため、補助化学療法に関する医師主導型臨床試験をすすめていき、最善の治療方法の提供をめざしています。縦隔腫瘍に対する化学療法については、多施設共同の臨床試験にも積極的に参加をしていき、比較的頻度が多くない縦隔腫瘍の治療法確立にも貢献していきたいと考えています。

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心臓血管外科領域

名古屋市立大学病院心臓血管外科では、虚血性心疾患、弁膜症、大血管また末梢血管といった成人の心血管病変の外科治療に加えて、小児科とも連携し先天性心疾患の外科治療にも力を入れてきました。これらの長年の取り組みの結果、基本的な心臓血管領域と専門性の高い小児心臓領域の双方をバランスよく統合させ、これまでに多くの患者・患児の方に満足度の高い医療を継続して享受して頂くことが出来ております。

また、これらに加えて外科手術・治療の成績向上に向けた取り組みとして、大血管手術の際の脊髄保護、体外循環併用時の肺障害の軽減、そして特に小児の心臓手術に合併する脳合併症への対策等の基礎的な研究を行っております。精緻な外科手技に基礎的な研究成果を重ねて一層質の高い医療を提供し続けることが我々の責務と考え努力を続けてまいります。

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小児外科領域

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乳腺内分泌外科領域

名古屋市立大学病院の乳腺内分泌外科で扱う疾患の大部分は乳癌であり、2007年の乳癌手術件数は約150件でしたが、本年は症例数がさらに増加傾向にあります。きわめて早期の乳癌を除いた大部分の症例が薬物療法(化学療法やホルモン療法など)の対象になるため、最新のガイドラインに基づいた最適な薬物療法を患者さんに提供することを当診療科の基本方針としています。

また、治験や医師主導臨床試験に積極的に参加することにより医学の進歩に貢献することも当診療科の基本方針として非常に重要視しています。現在までに当診療科では、 ホルモン療法や化学療法、トラスツズマブに関する治験や臨床試験に積極的に参加してきましたが、その中には登録数が全国上位に位置するものもあります。当院臨床研究開発支援センターの経験豊富な臨床研究コーディネーター(CRC)が加わる連携チームにて、治験はもとより臨床試験を組織的に強力に支援いただき実施しています。

当診療科では、院内CRCと治験・臨床試験に対するモチベーションの高い乳腺専門医との共同作業がきわめてスムーズに行われており、これが治験や臨床試験への登録数の多さに結びついています。

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整形外科領域

整形外科では骨・運動器高度専門医療推進のため、関節、脊椎、骨軟部腫瘍、小児整形、手の外科といった各専門医グループが専門性の高い医療を行っています。関節グループではリウマチ外来、変形性関節症外来、肩外来、スポーツ外来をもうけています。

関節リウマチの治療には、薬物治療としてメトトレキサートを基本とし、生物学的製剤も使用して、寛解をめざした治療を行っています。薬剤治験では、抗リウマチ薬、非ステロイド性抗炎症薬などに積極的に取り組んできており、現在も生物学的製剤の治験が進行しています。膠原病内科との合同カンファランスを行うなど連携しており、合併症、副作用についても十分に対処できる体制があります。また、リウマチ治療の情報発信のため、リウマチ友の会の後援にて毎年秋には名古屋市立大学病院大ホールにて療養相談を開催しています。

さらに、手術療法に関しても、寄付講座関節再建医学が開設(2007年)され、新規人工関節の開発、ナビゲーションシステムの開発をめざしています。患者さん毎のCTデータをもとに、障害関節だけではなく、たとえば股関節であっても下肢全体の3次元CADデータを作成し、それらの相互関係の中から、もっとも適切な治療方法を見出して、関節機能の再建を行なっています。

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産科婦人科領域

名古屋市立大学病院産科婦人科では、現在15人の医師が診療にあたっております。産科婦人科全般の診療に加え、特殊外来として不育症外来、生殖内分泌・不妊症外来、中高年外来、腫瘍外来、羊水検査外来等を開設して診療体制を整え、それぞれの専門医が担当しています。特に不育症、出生前診断・胎児治療に関しては国内でも有数の施設であり、県内はもとより他県の施設からも紹介患者さんが受診されます。

臨床試験としては現在のところ、習慣流産に対する葉酸の予防効果をみる二重盲験比較試験や、婦人科がんに対する多施設共同試験に参加をしています。

女性の寿命が延び、価値観も多様化している現代においては、個々のライフスタイルに合わせた管理・治療方針が求められます。当科では、患者さんのさまざまなニーズに的確かつきめ細やかに応えるべく、他科との協力のもと大学病院としての特徴を活かした集学的医療を行うとともに、学会・研究会へも積極的に参加して新しい知識や技術を吸収し、より高度で安全な医療の提供を行っています。

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小児科領域

当院小児科では多種多様の疾患に対して各専門医グループが診療にあたっております。新薬だけでなく、医療機器の治験受託の実績も多くあります。現在、抗てんかん薬(神経グループ)や子宮内発育遅延性低身長症(内分泌グループ)などの治験実施中以外にも、NICUには先天性心疾患および多胎の症例が多いですし、東海地区でもめずらしい先天代謝異常専門外来(フェニルケトン尿症、糖原病、高アンモニア血症、有機酸血症、ガラクトース血症、ウイルソン病)、小児肝臓外来(B、C型肝炎、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症など)を設けております。

また、血液外来(白血病、神経芽細胞腫、再生不良性貧血など)、内分泌外来(成長障害、性分化・成熟障害、副腎、甲状腺疾患、糖尿病、水・電解質異常など)でも幅広い疾患に渡って多くの患児の診療を行っており、新しい薬・治療法の開発にも役立ちたいと考えております。

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眼科領域

名古屋市立大学病院眼科では、網膜疾患、緑内障、小児眼科の専門外来があり、多種多様の疾患に対して診療にあたっています。

特に、網膜疾患は紹介患者も多く、加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に合併する黄斑浮腫に対する治験受託の実績も多くあります。また、白内障手術件数、硝子体手術件数も多く(2007年度の眼科手術件数総数は1000件以上)、眼内レンズや生体材料などの治験も受け入れ可能です。

緑内障外来では、正常眼圧緑内障、原発開放隅角緑内障、発達緑内障、閉塞隅角緑内障といったすべての緑内障疾患をフォローしており、小児眼科外来でも、さまざまな疾患の診療にあたっており、新しい薬の開発に役立てると考えています。

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耳鼻咽喉科領域

名古屋市立大学耳鼻咽喉科では、聴神経腫瘍、中耳手術、顔面神経減荷術などを中心に多くの手術を行い、薬物治療を行っています。当科の関連病院も多く、その連携の良さを生かしてたくさんの紹介患者さんもあります。

臨床研究では、副鼻腔炎における新しい治療法の開発、抗ガン剤投与時における制吐剤の使用法、放射線治療における口腔乾燥の治療、アレルギー性鼻炎における抗アレルギー剤投与などのさまざまな臨床研究を行っている実績があります。

また、顔面神経麻痺、めまい、嗅覚障害、アレルギー性鼻炎の新しい治療などで基礎研究も積極的に行っています。新しい医療の一歩をお手伝いすることに、少しでも貢献することができるようにと日々、取り組んでいます。

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形成外科領域

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皮膚科領域

名古屋市立大学病院皮膚科には、尋常性乾癬、皮膚T細胞リンパ腫、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、円形脱毛症、下腿潰瘍などの治療に多くの患者さんが通院されています。

実際には、上記疾患は慢性疾患であり、疾病コントロールや治療が困難な場合もあるので、当科では我が国で行われる治療法は必ず患者さんの治療の選択肢の一つとして提供できるようにすることを目標としています。特に、治験が高度の医療の提供となるものであることから、新しい医薬品および新しい光線治療の医療機器の開発には我々医師と患者さんとが力を合わせて積極的に取り組んでいます。

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泌尿器科領域

超高齢化社会を向かえ、泌尿器科を受診される患者さんは年々増加傾向にあります。特に検診の普及に伴い前立腺癌、腎細胞癌の受診患者さんの数が激増しています。また、前立腺肥大症、尿失禁、過活動膀胱などQOL疾患の患者数も増加傾向にあります。

現在、小児泌尿器疾患、尿路結石症、尿路悪性腫瘍、不妊症、排尿障害の各グループが基礎・臨床いずれの分野においても最先端の研究を精力的に進めています。治療においては専門性の高い高度先進医療として前立腺癌の腹腔鏡手術に早くから取り組み、昨年まで300例以上の実績があります。他の腹腔鏡手術にも力を入れており、本年度より膀胱尿管逆流症に対する腹腔鏡手術の臨床研究が実施されています。

特に、排尿障害(多国間多施設共同治験を含む)、尿路悪性腫瘍(臨床薬理試験を含む)などの治験、医師主導臨床試験を積極的に行っており、多くの実績があります。現在、泌尿器科領域では、腎細胞癌に対する分子標的薬、排尿障害に対するα1-ブロッカー、過活動膀胱に対する抗コリン薬など新薬の開発が盛んです。今後も、大学病院として高度医療を提供するとともに、臨床試験を積極的に行って患者さんの期待に応えていきたいと考えています。

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精神科領域 (こころの医療センター)

名古屋市立大学病院こころの医療センター(精神科)では、9名の常勤スタッフ医師,5名の大学院生医師,16名のレジデント医師が,精神疾患で苦しまれている患者さんの治療にあたっています。私たちは、中でも、気分障害,不安障害,認知症,子どもの心の問題,がん患者の心の問題、てんかんを得意分野としています。また当科で行っている臨床研究は、有名医学誌(JAMA、Lancet、BMJ、J Clin Oncol,など)に掲載されることも多く、高い評価をいただいています。

臨床治験への取り組みとして、ここ数年だけでも既に二種類の新規抗うつ薬,一種類の抗認知症薬の治験に参加実績があります.また国立がんセンターでの臨床研究経験が豊富なスタッフもおり,臨床治験に対する意欲・経験は自信があります。

今後も継続して各種精神疾患に対する治験等に参加し、患者さんに高度の医療を提供し続けることでもお役に立ちたいと考えています。

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放射線科領域

名古屋市立大学病院放射線科は、診断、核医学、インターベンショナルラジオロジー(IVR)、治療の4部門から成っており、各部門とも日々の診療の上に種々の研究も行っております。

臨床試験関係では、診断部門でMRIの造影剤であるガドリニウム三量体の治験(第Ⅱ相)、治療部門で放射線増感剤の治験(Ⅰ/Ⅱ相)に参加した経験があります。現在、診断部門ではガドリニウム二倍量投与の安全性調査に参加中であり、IVR部門ではジェルパートによる止血目的の血管塞栓術、リピオドールによる肝細胞癌化学塞栓術、無水エタノールによる血管奇形に対する閉塞術などの臨床試験を実施する他、核医学部門ではストロンチウム-89の市販後調査にも参加しています。

今後は臓器特異的、疾患特異的造影剤の開発、カテーテルなどのIVR器機、免疫放射線療法などに関わる治験、臨床試験を通じて、放射線医学分野での新しい診断法、治療法の開発にお役に立ちたいと考えております。

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麻酔科領域

名古屋市立大学病院の麻酔科では、手術室における麻酔・集中治療・救急・ペインクリニックの診療を行っています。

麻酔の領域では、新生児から高齢者まで幅広い症例に対して、多様な麻酔法を行っています。特に、小児麻酔、脳神経麻酔、胸部外科麻酔は、症例数が豊富であり、本領域の臨床研究を多数行っています。また、呼吸、循環、中枢神経、筋弛緩など、さまざまな臓器に関する多彩な評価手段を持っていることが特徴です。今後は、これらの特徴を生かし、治験の受託を積極的に行っていきたいと考えています。

また、集中治療室(ICU)の管理は、麻酔科から出向した専門医により一元的に行っているのが特徴です。よって、手術中から術後ICUまで継続的な治験が可能な環境にあります。また、感染症に関連した敗血症、急性肺障害/急性呼吸促迫症候群(ALI/ARDS)の症例が豊富で、これまでも治験受託実績があり、今後も重点を置いて研究を行っていきたいと考えています。さらに、循環器に関わる様々な評価手段を有しており、多くの臨床研究が現在も進行中です。重症患者の栄養管理についても、さまざまな臨床研究実績、基礎研究を行っており、当該領域の研究にもさらに力を入れていきたいと考えています。

ペインクリニックにおいては、帯状疱疹に関わる疼痛や複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome: CRPS)の症例が豊富です。これまでも、多くの治験受託実績があり、多施設共同による臨床研究への積極的な取り組みも行っています。

当院麻酔科では、麻酔・ICU・救急・ペインクリニックといった幅広い領域を管理しているシームレスな環境を生かし、治験参加や臨床研究を通じて新薬や新規治療法の開発に積極的にかかわっていきたいと考えています。

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脳神経外科領域

名古屋市立大学病院脳神経外科は、血管病変、機能脳神経外科、脳腫瘍と救急患者を治療する4つのグループがあります。

当診療科の特徴として、神経内科との結びつきが強く、毎週金曜日に合同ケースカンファレンスや年に2~3回程度の合同研究会を催しております。血管病変では、患者さんに応じ直達手術と血管内手術を選択し、特に虚血性脳血管障害の外科治療では豊富な経験を有しています。機能脳神経外科領域では、パーキンソン病に対する深部脳刺激療法を数多く手がけています。脳腫瘍では、耳鼻科との連携により聴神経腫瘍の手術が多く、グリオーマを始めとする悪性脳腫瘍は、小児では小児科と連携し、手術後に積極的な化学療法を行っています。この他、数多くの低髄圧症候群症例を治療しております。

このため、脳神経保護に対する治療方法の開発や悪性脳腫瘍に対する治験はもちろんのこと、虚血性脳疾患の予防薬、振戦やジストニアなどの不随意運動に対する治療薬、めまい、耳鳴り、頭痛に対する新しい治療薬や治療方法の開発にお役に立てるのではないかと考えております。

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歯科口腔外科領域

名古屋市立大学病院歯科口腔外科では、口腔腫瘍(良性、悪性)、嚢胞性疾患、炎症性疾患、顎関節疾患、唾液腺疾患、口腔粘膜疾患、外傷、奇形(唇顎口蓋裂)、顎変形症などの口腔外科疾患や、先進医療としてインプラント義歯治療また有病者歯科治療にも積極的に取り組んでいます。

口腔がんに対する放射線治療に対しては、愛知県がんセンター放射線治療部との共同治療を行っており、舌がんの小線源治療による放射線下顎骨壊死を防止するための装置(スぺーサー)や小線源治療を行うための小線源(Auグレーン)保持装置(モールド)を開発して使用してきました。

口腔領域の不定愁訴(特に舌痛症)では、年間で300人ほどの患者さんが受診されていますが、未だ発痛機序は明らかではないため、当科では積極的に臨床研究を行っています。治療に際しては、漢方治療を主に行い治療効果を上げてきました。

また、口腔ケアに対しても積極的に取り組んでおり、ICUや化学療法患者また糖尿病教室、栄養サポートチーム(NST)などにも積極的に参加しています。

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